リンクスのリペア、リメイクです。
昔は名器と称され、アマチュアからプロにまでたくさんのゴルファーにもてはやされてきました。

じーっと穏やかに年を重ねてきたら、突然の余使用宣告?
旧友のパーシモンに続いて一握りがお蔵入り、残りはもしかしてのスクラップ!そんなことになっていくのでしょうか?
過熱したスピン競争のせいでえらいとばっちりやん!
ソールがセールスポイントやったのに!禁止って・・・・。

 

アマチュアにとってまだまだ先のことですが、ビンテージクラブたちからすればリタイヤする時期を告げられそうな複雑な気持でしょうか?
でもエンジョイゴルファーは、気楽に楽しくいって下さいね。

今でも簡単な化粧直しから、時たまこんな感じのリメイクもさせて頂いてます。

まずはフェース面の修復です。
フェース面をきちっとスコアラインを彫刻できるように平面にします。

 

フェース面は、想像とは異なり水たまりのような窪みが浅いモノですが点在します。

それを都合のいいところまで取るとなると、結構いかないとダメなモノもあります。

 

   

 

フェース面を触ると、どうしてもリーディングエッジも、多少なりとも触らなければなりません。

それでなくても使い込まれていくとマスターモデルのエッジは尖ってくるので、リーディングエッジ付近は特に神経を使って上手くごまかします。

 

                                                              

 

ごまかすと言っても自分が楽をするためではないですよ、良い感じの仕上がりにとどめるため、機械的ではなく手のタッチを使ってごまかします。

そして手間暇かけたリペアの苦労の跡は、職人の恥なので残さないようにして、「何が変わったのか全然わからへんからいいよ・・・」と一瞬でスルーしてもらえる状態を目指します。

 

 

 

削る前に、しっかり記憶しておくために写真に撮ったり、他のマスターモデルと比較して印を付けたりしながら、自分が解るように、感じをメモ書きして元のイメージを残します。

どこまでヘッドが傷んでいるかにもよりますが、あまりにも元形に執着しすぎずに、元のライン、リンクスの特徴、らしさを謙虚に出していくことがベターと思います。

当然、お客様の引けない要望が最優先で、そこから構想図を考えていくので、ケースバイケースですが。

 

今回は「好いと思うようにしてほしい」とお任せ気味だったので、ベースのヘッドの傷み具合、摩耗度を考慮して、どこまでいくか、どこで止めるか、を任せて頂きました。

平面を出したフェースに、マスターモデルはラインピッチが狭いので溝幅は0.8㎜、深さ0.5㎜のスコアラインを彫刻します。

 

 

 

後は、全体の磨きと、サンドブラストで仕上げです。